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不妊で悩むカップルのおよそ半数に、男性不妊が原因として関わっているとされていますが、実は男性不妊の改善に効果が期待できる食べ物について、世界各地で様々な研究が進められています。
2018年7月、スペインの研究者チームが、18歳から35歳の男性に対して14週間、毎日60gのナッツ(アーモンド、ヘーゼルナッツ、ウォールナッツ)を食事と一緒に摂取させたところ、精子の数量や活力、運動量、奇形率などに、明らかな改善があったという結果を発表しました。また、男性不妊に深く関わっているとされる、精子DNA断片化の程度も改善されていたことが分かっています。
これらの結果から、男性不妊の改善に役立つ食べ物として、ナッツには価値があると示唆されました。(※1)
そもそも、2012年8月にはすでに、アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームが、植物性オメガ3脂肪酸が豊富なくるみを食べることで、男性の生殖機能や精子の状態を改善できる可能性があるという報告をしており、今回のナッツに関する研究データは、くるみによって示唆されていた男性不妊への改善効果を後押ししたともいえるでしょう。(※2)
ナッツには、精子の状態改善や、ダウン症などの原因となる細胞染色体数異常の発生を抑制する効果があると期待されていますが、それらは植物性脂肪酸であるオメガ3や、ビタミンC、B、セレンなどの抗酸化物質が関わっていると考えられています。
ナッツの脂肪分は、肉類に比べて太りにくいともいわれますが、それでもナッツは高カロリーな食べ物です。また、市販されているナッツ食品には、塩が使われているものも多く、高カロリーや塩分の摂りすぎは、様々な生活習慣病の原因になります。
亜鉛は、人の臓器の中で前立腺に多く含まれている栄養成分であり、男性機能の改善や、男性不妊の治療に効果があるとも期待されている栄養成分です。
そして1988年、神戸大学医学部の研究チームの実験により、亜鉛と精子の運動率や、男性不妊の間に密接な関係があると報告されました。
研究によれば、亜鉛は体内で、様々な生体機能を司る各種酵素の活性を助ける、触媒作用を持つことが示唆され、亜鉛量が適切に維持されることで、精子の運動率が向上したというデータが確認されました。(※3)
亜鉛は人体にとって必須ミネラルの1つであり、亜鉛不足は味覚障害や貧血、精子減少、女性の生理異常などを引き起こすとされています。 亜鉛は様々な食べ物に含まれていますが、特にカキは亜鉛を多く含む食べ物として知られています。
亜鉛の長期的な過剰摂取(1日最大45mg)は、体内で銅不足を招く恐れがあり、注意しなければなりません。 銅は血液の生産や骨の形成などに関わっているとされ、銅不足は貧血や動脈硬化、神経障害といった病気を引き起こすともされています。(※4)
2011年12月、カゴメ株式会社と国際医療福祉大学病院リプロダクションセンターの共同研究チームが、トマトジュースの継続摂取によって、精子の運動率や男性不妊の改善に効果があったという研究結果を発表しました。
実験は、1年以上の不妊歴を有する20歳から45歳の男性44人に、トマトジュース1本(190g)を12週間継続摂取させる形で行われ、その結果、精液中のリコピン量が増加し、精子の運動率の向上や炎症の軽減といった、男性の生殖機能の改善効果が認められました。(※5)
リコピンは、抗酸化作用がとても高い栄養成分といわれています。 活性酸素は精子の生産能力に悪影響を及ぼすとされており、活性酸素の働きを抑制するリコピンの抗酸化作用によって、男性不妊が改善するかも知れません。
トマトジュースには、塩で味付けされているものと、塩分無添加のものがあります。塩分を含むトマトジュースを大量に飲むことは、塩分の過剰摂取を招くので危険です。 また、腎機能が低下している人が、トマトジュースとビタミン剤などを併用した場合、カリウムの過剰摂取による悪影響が現れることもあり、注意しなければなりません。