横浜市内の体外受精が受けられるクリニックを紹介しています
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なかなか赤ちゃんを授かれない夫婦を手助けしてくれる体外受精。最近では日本中どこでも受けられるようになり、一般にも認知されてきました。ですが、体外受精がどういった流れで行われるのか詳しく知らない方が多いでしょう。ここでは、体外受精についての説明と治療の流れをまとめました。体外受精を考えているけど、まだ知識が少なくて不安のある方はぜひご確認ください。
体外受精は子宮内で受精卵を作る自然妊娠と違い、卵子と精子を取り出して体外で受精をさせる治療法です。質の高い卵子と活発な精子を選んで使うので、自然妊娠よりも受精の確率が高くなります。また、無精子症といった男性が原因の不妊でも妊娠へつなげられるのが体外受精のメリットです。
体外受精はステップアップで行われる治療といわれています。不妊治療は、自然妊娠を促すタイミング法や人工授精から始めるのが一般的な治療です。その結果が思わしくない場合や体外受精のみ妊娠できる可能性があると判断されたときに、体外受精をすすめられます。不妊治療ですぐに体外受精を始めるかは、他の治療結果によって変わると覚えておきましょう。
体外受精の以下の流れで行われます。
体外受精の成功には、良質な卵子が必要です。そのため、卵子を採取するまでに、完全自然周期・フェマーラ単独周期・クロミフェン周期などの方法を使い、卵子を育てます。
大きく成長した卵子を専用の採卵針を使って採取します。極細の針を使うので体への負担が少なく、採卵後30分ほどで帰宅が可能です。痛みが怖い方は局所麻酔を使って採取も可能。また、合わせて男性の精子も採取して、受精の準備を整えます。
体外受精は、卵子に精子を振りかけて受精させるのが一般的です。ただし、活発な精子が少ない場合や受精障害がある場合は、顕微鏡と細いガラスの針を使って直接精子を卵子に注入する顕微授精が行われます。
できた受精卵(胚)は受精2日目で4分割、3日目でだいたい8分割に成長。子宮内に移植する準備ができます。
体外で成長させた受精卵(胚)を子宮に戻し、妊娠を促します。超音波で様子を見ながら、カテーテルと呼ばれる細い管を使って行われる移植です。
受精卵(胚)はすぐに移植される場合と凍結保存を行なう場合があります。胚移植を行なう前の検査で子宮内膜やホルモンの値に問題がある場合は、子宮内膜の状態が整うまで待つ必要があるためです。また、凍結の際に良質な受精卵(胚)を選ぶので、妊娠の確率が高くなるとされています。
胚移植後に受精卵が着床して、順調に成長していくと妊娠となります。
体外受精は夫婦の状態を踏まえ、さまざまな手法が選ばれます。あくまで一例でありますが、参考にしてみてください。
体外受精の効果は妊娠の確率を上げることです。自然妊娠や人工授精よりも、1.5倍から2倍ほど妊娠の成功率が高いと言われています。また、人それぞれの体調や状態を見て適切な対応を行ない、妊娠が難しい夫婦をサポートしてくれる治療法です。
なによりも、体外受精でしか得られない効果があります。それは無精子症をはじめとした男性不妊のケースでも妊娠が期待できることです。精子の数が極端に少ない場合、精子の力に任せる自然妊娠や人工授精ではなかなか妊娠が難しいでしょう。ですが、体外受精(顕微授精)なら精子を採取することで受精させられます。卵子1つに対して精子が1つあれば良いので、数が少なくても問題ありません。
男性の精子濃度は減少傾向にあるという調査結果もあるようです。男性は35歳を超えると、活発な精子が減る傾向です。ライフスタイルや運動習慣などで左右されるものと言われていますが、いずれにせよさまざまな要因で妊娠が簡単ではないケースが考えられます。
体外受精はそういった悩みを持ちながらも、愛する人の赤ちゃんを授かりたいと願う方にとっては、かけがえのない効果を与える治療です。
体外受精は、タイミング法、人工授精を受けてから考えるイメージがある治療です。しかし、場合によってはすぐに体外受精を行った方がいい夫婦もいます。
男性の場合は、精子が極端に少ないこと、女性の場合は、両側に卵管閉塞があるといった、卵管因子による原因のあることがあげられます。
または、原因が見つからない原因不明不妊症の場合。体外受精では、採卵することで卵子の状態の検査、受精の有無やその状態(質)の確認ができます。すなわち、体外受精は原因不明不妊症に対する最終的な検査という考え方もできるのです。
卵管狭窄(卵管内の幅が狭くなる)や卵管閉塞(卵管がつまる)、卵管の周囲が癒着があると診察で指摘された女性は、卵管に卵子が取り込まれにくくなっている状態です。
自然妊娠の可能性が低くなっているので、体外受精の対象となります。
造精機能障害とは、精子の奇形率が高い、精子の数が少ない、精子が造られない、精子の運動性が乏しいという症状を指します。
男性不妊の原因の90%以上を占めると言われています。薬物治療、手術治療、人工受精を行っても妊娠に至らない方は、体外受精の対象になります。
女性側に抗精子抗体(精子を障害する抗体)や精子不動化抗体(精子の運動を止めてしまう抗体)が見つかった場合には、体外受精の効果が期待できます。
反対に、男性に抗精子抗体が見つかった場合には、顕微授精が有効と考えられています。
明確な不妊の原因が見つからない場合は、原因不明不妊症と分類されます。これは、不妊症の1/3を占めると言われています。実際には明らかにすることのできない何らかの原因があるものとされ、主に2つの原因が考えられます。
ひとつは、卵管内で精子と卵子が受精しない場合。人工授精や体外受精(IVF)を含めた生殖補助技術(ART)の適応となります。
ふたつめは、精子または卵子の質が低下、あるいはその機能が消失している場合です。高齢になるほど精子や卵子の質が低下していきますので、考えられるのは加齢による影響。卵子の質は30歳を過ぎると低くなり、35歳を過ぎると急激に下降してしまうと、言われています。
そのため、できるだけ早めに治療を行うことが推奨されています。
体外受精を行うにあたって、副作用が起こる可能性もあります。事前にしっかり知っておくことが大切ですので、参考にしてみてください。
多数の卵子を採取するために排卵誘発を行う際、卵巣を刺激することによって起きる副作用のことです。
本来、卵巣は親指大の3~4cmほどの臓器。しかし、排卵誘発剤で卵巣を刺激した際には、卵巣が膨れ上がってしまうこともあります。もし、卵巣がふくらんでしまった場合、お腹や胸に水がたまる副作用が起こります。症状が重くなると、腹痛、腹部膨満感だけでなく、血液濃縮、乏尿、血栓症などを伴うことがあります。早めの治療が必要になるので、自覚症状がある場合には、医師や薬剤師に連絡するようにしましょう。
本来、卵巣は親指大の3~4cmほどの臓器。しかし、排卵誘発剤などで卵巣を刺激した際には、卵巣が腫れ上がってしまうことがあります。もし、卵巣が腫れあがってしまった場合、お腹や胸に水がたまる副作用が起こります。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の自覚症状では下記のようなものがあります。
このような症状が現れた場合は、速やかに医師に相談しましょう。症状が重くなると、腹痛、腹部膨満感だけでなく、血液濃縮、乏尿、血栓症、呼吸困難、腎不全などを伴うことがあります。
体外受精では超音波診断装置を用いて卵巣に穿刺し、採卵を行いますが、ごくまれに腹腔内出血や膀胱出血が発生する可能性があります。膀胱出血は、卵巣の位置が通常と異なるため、膀胱を通過して卵巣に穿刺しなければならない場合に起こります。
ほとんどの場合、出血は一時的なものですぐにおさまりますが、採卵日翌日になっても血尿が続いたり、尿量が少ない状態が続いたりするような場合は速やかに医師に相談しましょう。
採卵を行った際に、膣内の細菌が腹腔内に入ってしまい、まれに骨盤内の感染が発生する場合があります。腹痛や発熱が主な症状として現れます。処置前後の消毒や抗生剤投与などで予防しますが、過去に骨盤腹膜炎、チョコレート膿腫、卵管水腫を起こしたことのある場合は注意が必要です。
体外受精における先天性奇形の発生率は、自然妊娠の場合と比較してほとんど差はないとされています。しかし、体外受精では、一度に複数の受精卵を子宮に戻した場合、自然妊娠と比較して、多胎(双子や三つ子など)になることもあります。
もし、双子や三つ子といった、多胎の場合は低体重児として生まれてくるリスクが高くなり、先天性の障害のリスクも高まります。そのため、多胎妊娠が分かった場合には、医師に相談しながら赤ちゃんの様子を見ていくという形になります。もし、不妊治療を行い、妊娠した場合には、双子や三つ子の場合、施設の整った病院で医師の診断を受けるようにしましょう。
体外受精の流産率は20%程度だと言われています。しかし、自然妊娠でも15%近く流産が起こるとされていますので、さほど大きな差はありません。
日本産科婦人科学会が掲げる方針として、体外受精では胚移植を原則1つにし、多胎リスクを避ける対策がとられています。
双子や三つ子など多胎は母体に負担が大きく、流産や早産のリスクが高まるためです。胎児の奇形や脳性麻痺など障害の恐れもあり、妊娠時に多胎を起こさないのは大事なポイントといえます。一人だけであれば早産リスクは10%ですが、双子だと60%になり、それ以上の多胎になると90%以上と言われています。双子の妊娠や出産を考える方はご注意ください。
リスク発生率の数値は完璧と言えませんので、あくまで参考程度にとどめておく必要があります。ですが、体外受精を行なう際に気をつけておかなくてはいけないことです。
体外受精はまだ新しい治療分野なので、データが完璧に揃っていません。今のところ、リスクがあるともないとも言いきれない治療法です。健康上のリスクや見た目などで比較した場合、自然妊娠の子どもと差はないと感じるようですが、やはりイメージとしてリスクがあると考える方は多いでしょう。
世界で初めて体外受精が行われたのは1978年。日本で初となる体外受精は、それから5年後の1983年となっています。まだ歴史の浅い治療ですので、これからの研究と発展が望まれる治療法です。
体外受精クリニックの選び方は、いくつかポイントがあります。ここでは、体外受精クリニックを選ぶポイントを6つにわけて解説してみました。治療実績や評判など、体外受精クリニックで重視したいポイントをぜひ確認してみてください。良いクリニックを選ぶことは、妊娠へつながります。最初の一歩としてお役に立てば幸いです。
体外受精で妊娠できる確率は、どれくらいかを知りたい方は多いはずです。さまざまなデータをもとに、年齢別や症状別で成功例や成功確率をまとめてみました。体外受精で赤ちゃんを授かる可能性を調べてみてください。自然妊娠や人工授精との違いも載せていますので、比較してみるのも参考になるはずです。
体外受精は治療している間、痛みがあるのか気になる方もいるでしょう。卵子を採取するために針を刺したり、受精卵を注入したりと体にさまざまな治療を行なう体外受精。クリニックが行なっている痛みへの対策や治療ごとの痛みについてまとめました。
顕微授精(ICSI)とは、卵子に直接的に針を差し込んで、精子を注入する不妊治療法です。体外受精では卵子に精子をふりかけて受精を待ちますが、顕微授精は注入によって人為的に受精を促します。顕微授精の受精率は50~70%程度で、体外受精よりも受精率が高いと言われています。男性不妊や受精障害などにより、他の方法では妊娠する可能性が非常に低いと判断された夫婦が、顕微授精の対象となります。
「体外受精は自然妊娠よりも流産率が高くなる?」と心配する方も多いですが、体外受精と流産率との因果関係は明らかにされていません。医学的根拠は見られず、心配しすぎないことが大切です。胎児の染色体異常による流産は、自然妊娠・体外受精で同様に生じうるもので、お薬などで予防することはできません。流産を繰り返す場合には子宮の形態異常などが背景にあるケースもあるため、医師の指示に従いましょう。
体外受精では何度も通院しなければならず、働きながら治療を行うことに不安を感じる方もいます。ですが、体調に合わせてスケジュールを管理したり、排卵日や胚移植の日に休めるよう職場の理解を得たりすることで、仕事を辞めずに不妊治療を行うことが可能です。排卵誘発剤を服用する「低刺激法」や、自然な月経周期に合わせて採卵する「完全自然周期体外受精」など、仕事と治療を両立しやすい方法があるので、医師と相談しましょう。
体外受精と自然妊娠では、出生児の障害率は変わりません。いずれにおいても先天異常の出現率は全体の約3%程度と言われており、実際には、体外受精であることではなく「高齢出産」となることが、障害リスクに関与すると考えられています。卵子や精子が老化すると、染色体の異常が発生しやすいのです。 体外受精では妊娠成功率を高めるため、子宮に戻す前の受精卵の成長度や着床しやすさを選別します。
胚移植をしてから子宮に着床するまで、3~5日程度かかります。妊娠判定までの所要日数は、通常14~21日程度です。妊娠判定は血液検査や尿検査によって行い、hCG(ヒト絨毛ゴナドトロピン)というホルモンの濃度を測定します。妊娠が成立すると、自然妊娠と同じように吐き気や胸の張り、倦怠感などの妊娠初期症状が現れます。体外受精も自然妊娠も本質的には変わりないので、神経質にならずにリラックスして過ごしましょう。
胚移植とは、体外受精で造られた受精卵を、「胚」という状態に成長させて子宮に戻すことです。タイミング法や人工授精などの不妊治療では妊娠の可能性が低いケースでは、胚移植が選択されることがあります。 胚移植には「初期胚(しょきはい)移植」や「胚盤胞(はいばんほう)移植」、「接合子卵管内移植」などがあり、子宮内膜や卵管の状態を診て適切な方法を検討します。
培養とは、採卵・採精を経て受精した受精卵を育てることです。インキュベーターという装置を用いて専用の培養液の中で、受精卵を「初期胚(しょきはい)」または「胎盤胞(はいばんほう)」と呼ばれる状態まで成長させ、子宮に移植します。培養は非常に繊細な工程であり、胚培養を扱える「胚培養士」が行っています。
採卵とは、女性の体内から成熟した卵子を採取することです。「クロミフェン」という薬剤を用いて自然排卵を促すクロミフェン法や、採卵のタイミングに合わせて排卵誘発剤を用いるアンタゴニスト法などの採卵法があり、卵巣の状態などによって適切な採卵法を選びます。一般的には日帰り入院で採卵できますが、体への負担を避けるため採卵後は安静に過ごす必要があります。
女性の体は、医学的にはおおよそ30歳を境に妊娠する確率が下がっていき、35歳以上になると顕著な低下が見られます。体外受精は、タイミング法や人工授精と比較し、治療費が高額であるため躊躇する方が多いのも現実。しかし、可能な限り出産するチャンスを早くつかむために、妊娠の可能性が高いうちに体外受精を選択するのも不妊治療を早く終えるための選択肢の一つといえるでしょう。