胚移植を何度か行っても妊娠に至らないと、「次は2個戻したほうがいいの?」「2個移植なら妊娠しやすくなる?」と考える方は少なくありません。
胚を2個移植すると、1回の移植あたりの妊娠率は上がりやすくなります。一方で、双子などの多胎妊娠になる可能性が大きく高まるため、日本では原則として胚を1個だけ移植する考え方が広く取られています。
この記事では、2個移植のメリット・デメリットと、2個移植が検討されることが多い条件について解説します。
2個移植とは、1回の胚移植で2個の胚(受精卵)を子宮に戻す方法です。「二胚移植(DET)」とも呼ばれます。これに対して、1個だけ戻す方法を「単一胚移植(SET)」といいます。
なお、同じ周期に時期をずらして2回移植する「二段階胚移植」は、2個移植とは別の方法です。詳しくは「二段階胚移植とは」をご覧ください。
日本では、多胎妊娠を防ぐために、1回に移植する胚の数を制限する考え方が取られてきました。
日本生殖医学会は2007年のガイドラインで、35歳未満の初回治療周期では移植胚数を原則1個とし、それ以外の40歳未満の治療周期では原則2個以下とする方針を示しています。あわせて、移植しなかった胚を凍結する選択肢を提示することも求めています。
また、日本産科婦人科学会は2008年に、一度に移植する胚は原則1個とし、35歳以上の女性や2回以上続けて妊娠しなかった女性などについては2個移植を認める見解を示しています。
実際に何個移植するかは、年齢やこれまでの治療経過、胚の状態をふまえて医師と相談して決めます。
2個の胚を戻すため、どちらかが着床する可能性が高くなります。単一胚移植と二胚移植を比較した研究をまとめた2022年の報告(システマティックレビュー・メタ解析)でも、良好胚どうしの2個移植は、良好胚1個の移植よりも出産率が高かったとされています。また、グレードが高くない胚どうしでも、2個移植のほうが出産率が高い結果でした。
年齢が高くなると、1個の胚あたりの着床率は下がりやすくなります。そのため、35歳以上の方や、これまでの移植で妊娠に至らなかった方は、2個移植が選択肢として検討されることがあります。
年齢による違いは「体外受精は年齢で何が変わる?」や「40代の体外受精は難しい?」もあわせてご覧ください。
1回の移植で2個戻すため、妊娠までに必要な移植の回数が少なくなる可能性があります。保険診療では胚移植の回数に上限があることから、報道では、上限の中で治療を終えようと複数の胚を移植する人が増えた可能性が指摘されています。
2個移植の最大のデメリットは、双子などの多胎妊娠になる可能性が高くなることです。前述のメタ解析でも、2個移植は1個移植と比べて多胎妊娠率が有意に高かったと報告されています。
多胎妊娠は、単胎妊娠に比べて母体と赤ちゃんの双方にとってリスクが高くなります。2026年5月の報道では、生殖補助医療による多胎妊娠が2023年に過去最多の4,354例になったとする東邦大学などの研究が紹介されました。多胎妊娠のリスクについては「体外受精で多胎妊娠が起こりやすくなる?」で詳しく解説しています。
同じメタ解析では、良好胚1個の移植と、良好胚と良好でない胚を1個ずつ戻す2個移植とでは、出産率に差がなかった一方、多胎妊娠率は2個移植のほうが高かったとされています。良好な胚がある場合は、2個戻しても出産率が上がらず、リスクだけが増える可能性があります。
胚の評価については「胚盤胞グレードとは?」で紹介しています。
同メタ解析では、2個移植は単一胚移植と比べて出産時のリスクも有意に高かったと報告されています。妊娠後の管理や分娩できる施設についても、事前に考えておく必要があります。
1回に2個使うため、凍結している胚が少ない場合は、次の移植に使える胚が早くなくなります。再び採卵が必要になる時期が早まる可能性もあります。
| 比較項目 | 1個移植(SET) | 2個移植(DET) |
|---|---|---|
| 1回あたりの妊娠率 | 2個移植より低くなりやすい | 高くなりやすい |
| 多胎妊娠 | 起こりにくい | 起こりやすい |
| 胚の使い方 | 1回に1個のため、移植の機会が多くなる | 1回に2個使うため、凍結胚が早く減る |
| 主な対象 | 原則として多くの方が対象 | 35歳以上、移植を繰り返しても妊娠しない場合など |
2個移植にするかどうかは、メリットとデメリットをふまえて夫婦で話し合い、医師と相談して決めることが大切です。相談の際は、次の点を確認しておきましょう。
保険適用の回数については「体外受精の保険適用について」で解説しています。
1回の移植あたりの妊娠率・出産率は上がりやすいと報告されています。ただし、良好胚と良好でない胚の組み合わせでは、良好胚1個の移植と出産率に差がなかったという報告もあります。
必ず双子になるわけではありません。2個とも着床しないことや、1個だけ着床することもあります。ただし、1個移植と比べると多胎妊娠になる可能性は大きく高まります。
日本では多胎妊娠を防ぐため、原則として1個移植とする考え方が取られており、2個移植は35歳以上の方や、移植を繰り返しても妊娠しない方などに検討されることが多い方法です。対象になるかどうかは医師に確認しましょう。
違います。2個移植は1回の移植で2個の胚を戻す方法、二段階胚移植は同じ周期に時期をずらして胚を2回に分けて戻す方法です。
2個移植は、1回の移植あたりの妊娠率を高められる可能性がある一方で、多胎妊娠のリスクが大きく高まる方法です。
移植する胚の数は、年齢や胚の状態、これまでの治療経過によって最適な選択が変わります。メリットとデメリットを理解したうえで、医師とよく相談して決めましょう。
体外受精のクリニック選びで大切なのは、ご夫婦の状況に合った治療を受けられることです。
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40~41歳の妊娠率が、2025年1月時点で開示されている最新(2022年度)の全国平均の妊娠率が約30%(※1)に対して、約50%(※2)と平均を上回る実績があります。
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※妊娠率(臨床妊娠):移植後、エコーにより胚が子宮内に確認された割合を指します
※1参照元:【PDF】日本産科婦人科学会ARTデータブック※2022年時点。2024年のデータはまだ公開されておりません(https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf)
※2参照元:メディカルパーク ベイフロント横浜公式※2024/1/1~2024/9/30時点(https://medicalpark-bf-yokohama.com/chiryo_jisseki/)
※3参照元:「男性生殖器疾患」の治療実績数を、便宜上“男性不妊症”のランキングとしています。この件数には、他の病気の治療も含まれることがあります。
※4参照元:caloo(神奈川県の男性不妊症の治療実績)※DPC対象病院・準備病院・出来高算定病院の統計 (2022年4月〜2023年3月退院患者)(https://caloo.jp/dpc/disease/746/14)
※5参照元:横浜市立大学附属 市民総合医療センター公式(2025年1月時点)(https://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/section/generative/danseifunin.html)
※6 お電話での問い合わせは月曜・水曜・金曜のみ8:00~18:30、火曜・土曜8:00~16:30、木曜8:00~13:00、日曜8:00~13:00 (指定患者様のみ)、祝8:00~15:00