不妊検査で「卵管が詰まっている」「卵管の通りが悪い」と言われると、「もう自然に妊娠するのは難しいの?」「手術をしないといけないの?」と不安になる方は多いでしょう。
卵管閉塞は、不妊の原因として比較的よく見られるもののひとつです。体外受精は卵管を通らずに妊娠を目指す治療のため、卵管閉塞があっても受けることができます。また、閉塞の場所や程度によっては、卵管を開通させる手術で自然妊娠を目指す選択肢もあります。
この記事では、卵管閉塞とはどのような状態か、検査や治療法の種類、体外受精を選ぶ目安について解説します。
卵管は、子宮の左右から卵巣のそばまで伸びている細い管です。排卵された卵子を取り込み、精子と出会って受精する場所になり、受精卵を子宮まで運ぶ役割を担っています。
この卵管が詰まったり(閉塞)、狭くなったり(狭窄)、周囲の組織とくっついたり(癒着)すると、卵子と精子が出会えなくなったり、受精卵が子宮へ運ばれにくくなったりします。
日本生殖医学会は、女性の不妊症の原因として、排卵因子や子宮因子などとともに卵管因子(閉塞、狭窄、癒着)を挙げています。さらに、排卵因子・卵管因子・男性不妊因子の3つは、頻度が高い原因とされています。
卵管は左右に1本ずつあります。片側だけが詰まっている場合は、もう一方の卵管を通じて妊娠できる可能性が残っているため、年齢や他の検査結果によってはタイミング法や人工授精を続けることもあります。一方、両側とも閉塞している場合は、卵管を通る妊娠が難しくなるため、手術や体外受精が検討されます。
卵管の通りを調べる代表的な検査が子宮卵管造影検査です。X線で透視しながら子宮の入り口から造影剤を注入し、子宮の形や卵管が詰まっていないかを確認します。
日本生殖医学会によると、少し痛みをともなうことがある検査ですが、検査のあと自然に妊娠することも少なくないため、大切な検査とされています。
必要に応じて、より詳しい検査を行うこともあります。MRI検査では、卵管に液体がたまる「卵管水腫」など、ほかの不妊原因となる病気が見つかることがあります。腹腔鏡検査では、お腹の中を直接観察するため、卵管周囲の癒着や子宮内膜症など、事前の検査ではわからなかった原因がわかることがあります。
そのほかの不妊検査については「不妊治療のホルモン検査一覧」もあわせてご覧ください。
卵管閉塞の治療は、大きく分けて「卵管の通りを改善して自然妊娠を目指す方法」と「卵管を使わずに妊娠を目指す体外受精」があります。
子宮側から細いカテーテルを入れ、詰まっている卵管を内側から広げて開通させる手術です。日本生殖医学会は、閉塞している卵管にチューブを通して開通させることで、自然妊娠の可能性を高められると説明しています。
お腹に小さな穴をあけてカメラを入れ、卵管周囲の癒着などを確認する方法です。癒着などが見つかった場合、検査と同時に治療できることがメリットです。
体外受精では、卵巣から卵子を取り出し、体の外で精子と受精させてから、育った受精卵(胚)を子宮に戻します。卵子と精子が出会う場所も、受精卵が通る道も卵管を使わないため、卵管閉塞があっても妊娠を目指すことができます。
| 比較項目 | 卵管の手術(FT・腹腔鏡) | 体外受精 |
|---|---|---|
| 目指す妊娠 | 卵管を開通させ、自然妊娠や人工授精での妊娠を目指す | 卵管を使わずに妊娠を目指す |
| 向いているケース | 閉塞の場所や程度が手術で改善しやすい場合など | 両側閉塞、手術で改善しない場合、年齢やほかの不妊原因がある場合など |
| 注意点 | 閉塞の状態によっては開通しない、または再び詰まることがある | 採卵や胚移植などのスケジュールに合わせた通院が必要 |
どちらを選ぶかは、閉塞の場所や程度、年齢、不妊期間、男性側の検査結果などをふまえて、医師と相談して決めます。また、どちらか一方だけでなく、必要に応じて内視鏡手術を行い、子宮や卵管の環境を整えてから体外受精に進むなど、両方を組み合わせて治療を進めることもあります。
両側の卵管が閉塞している場合や、手術をしても通りが改善しない場合は、体外受精が有力な選択肢になります。
手術で卵管が開通しても、その後は自然妊娠を待つ期間が必要です。年齢が高い場合や、男性不妊などほかの原因もある場合は、早めに体外受精へ進むことも選択肢になります。日本生殖医学会も、状況によっては早期に体外受精をすすめることも選択肢のひとつとしています。
年齢による違いは「体外受精は年齢で何が変わる?」、ステップアップの考え方は「体外受精へステップアップするタイミングとは」で解説しています。
卵管の先端が閉塞し、卵管の中に液体がたまる「卵管水腫」がある場合は、体外受精の前に卵管の手術を検討することがあります。卵管水腫があると言われた方は、体外受精を始める前に治療方針を医師に確認しておきましょう。
体外受精と内視鏡手術の両方に対応している医療機関や、グループ内・提携先で手術まで行える医療機関を選ぶと、手術から体外受精までの流れを一貫して相談しやすくなります。
2022年4月から、体外受精などの生殖補助医療は保険適用の対象になりました。厚生労働省の資料では、卵管性不妊は生殖補助医療の保険適用の対象として示されています。ただし、年齢と回数には次の条件があります。
| 治療開始時の女性の年齢 | 保険適用となる胚移植の回数(子ども1人あたり) |
|---|---|
| 40歳未満 | 6回まで |
| 40歳以上43歳未満 | 3回まで |
| 43歳以上 | 保険適用外 |
卵管の手術の費用や保険の扱いは、手術の内容によって異なるため、受診先の医療機関に確認しましょう。体外受精の保険適用について詳しくは「体外受精の保険適用について」をご覧ください。
できます。体外受精は卵子と精子を体の外で受精させ、受精卵を子宮に戻す治療のため、卵管が詰まっていても妊娠を目指せます。
片側が通っていれば、タイミング法や人工授精で妊娠を目指すこともあります。年齢や不妊期間、ほかの検査結果によって判断が変わるため、医師と相談しましょう。
閉塞の場所や程度、年齢、ほかの不妊原因の有無によって異なります。自然妊娠を目指したい場合は手術、両側閉塞や年齢を考慮する場合は体外受精が検討されることが多いです。手術で環境を整えてから体外受精に進むなど、両方を組み合わせることもあるため、医師と相談して決めましょう。
卵管性不妊は生殖補助医療の保険適用の対象です。治療開始時に女性が43歳未満であることや、胚移植の回数に上限があることなどの条件があります。
卵管閉塞は不妊の主な原因のひとつですが、体外受精なら卵管を通らずに妊娠を目指せます。
どの治療が自分たちに合っているかは、検査結果をもとに医師と相談して決めましょう。初診の流れは「体外受精の初診で何をする?」で紹介しています。
体外受精のクリニック選びで大切なのは、ご夫婦の状況に合った治療を受けられることです。
横浜にあるクリニック14院※の口コミや実績を分析し、お二人の状況に寄り添った3院を調査しました。
40~41歳の妊娠率が、2025年1月時点で開示されている最新(2022年度)の全国平均の妊娠率が約30%(※1)に対して、約50%(※2)と平均を上回る実績があります。
卵子への負担を軽減する培養技術も活用し、妊娠が難しい患者様へのサポートに注力しています。
保育士常駐のキッズルームを設けており、「親子待合室」としても利用できます。
通常の待合室とは扉で区切られているため、待ち時間も周囲の視線を気にせず、お子さまと一緒にいられます。通院回数が多い体外受精でも安心して通えるクリニックです。
不妊の原因に多くみられる男性不妊症の治療実績(※3)において神奈川県内1位(※4)を誇る病院です。一般男性の約7人に1人(※5)にみられる「精索静脈瘤」、約100人に1人(※5)に発症すると言われる「無精子症」まで、他院では対応が難しい男性不妊治療を受けられます。
※妊娠率(臨床妊娠):移植後、エコーにより胚が子宮内に確認された割合を指します
※1参照元:【PDF】日本産科婦人科学会ARTデータブック※2022年時点。2024年のデータはまだ公開されておりません(https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf)
※2参照元:メディカルパーク ベイフロント横浜公式※2024/1/1~2024/9/30時点(https://medicalpark-bf-yokohama.com/chiryo_jisseki/)
※3参照元:「男性生殖器疾患」の治療実績数を、便宜上“男性不妊症”のランキングとしています。この件数には、他の病気の治療も含まれることがあります。
※4参照元:caloo(神奈川県の男性不妊症の治療実績)※DPC対象病院・準備病院・出来高算定病院の統計 (2022年4月〜2023年3月退院患者)(https://caloo.jp/dpc/disease/746/14)
※5参照元:横浜市立大学附属 市民総合医療センター公式(2025年1月時点)(https://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/section/generative/danseifunin.html)
※6 お電話での問い合わせは月曜・水曜・金曜のみ8:00~18:30、火曜・土曜8:00~16:30、木曜8:00~13:00、日曜8:00~13:00 (指定患者様のみ)、祝8:00~15:00