不妊検査を受けて「特に異常は見つかりませんでした」と言われたのに、なかなか妊娠しない。そんなとき、「原因がわからないのに体外受精をする意味はあるの?」「このままタイミング法や人工授精を続けていいの?」と悩む方は少なくありません。
検査で原因が見つからない状態は「原因不明不妊」と呼ばれます。原因不明不妊でも、年齢や治療歴によっては体外受精が有力な選択肢になります。また、体外受精を行うことで、通常の検査ではわからなかった要因が見えてくることもあります。
この記事では、原因不明不妊とはどのような状態か、体外受精へ進む目安や体外受精でわかること、保険適用の条件について解説します。
原因不明不妊とは、不妊症の検査をしても、どこにも明らかな原因が見つからない状態のことです。「機能性不妊」と呼ばれることもあります。
日本生殖医学会によると、原因不明不妊は従来、不妊症の10〜15%を占めるといわれてきました。ただし、最近は特定の原因がない年齢の高い不妊女性が増えていることから、その頻度は大幅に増えていると推定されています。
不妊症の主な原因には、排卵の問題(排卵因子)、卵管の閉塞や癒着(卵管因子)、男性側の精子の問題(男性因子)などがあります。一般的な不妊検査では、主に次のような項目を調べます。
検査の種類は「不妊治療のホルモン検査一覧」や「AMHとは」でも紹介しています。
一般的な検査では、精子と卵子が実際に出会って受精できるか、受精卵が順調に育つかまでは確認できません。日本生殖医学会は、原因不明不妊の背景には精子や卵子の機能の低下があると説明しており、女性の場合は年齢とともに妊娠する力が低下していくとしています。
原因不明不妊の治療は、一般的にタイミング法から始め、人工授精、体外受精へと段階的に進めていきます。人工授精は、原因不明不妊も対象となる治療です。
日本生殖医学会は、人工授精の回数について3〜6回を上限とするのが一般的で、6回以上繰り返しても妊娠しない場合は、治療のステップアップを検討する必要があるとしています。
人工授精との違いは「体外受精と人工授精の違い」、ステップアップの考え方は「体外受精へステップアップするタイミングとは」で詳しく解説しています。
原因不明不妊では、年齢も治療方針を決める大切な要素です。日本生殖医学会は、原因がはっきりしない場合に体外受精以外の治療を漫然と続けると、妊娠の時期を遅らせ、出産のチャンスをさらに減らしてしまう危険性があると指摘しています。
そのため、30代後半以降の方や、希望する人数の子どもを考えている方は、人工授精の回数にこだわらず、早めに体外受精を検討することも選択肢のひとつです。どのタイミングでステップアップするかは、医師と相談しながら決めましょう。
年齢ごとの考え方は「体外受精は年齢で何が変わる?」や「35歳からの体外受精で知っておきたいこと」もあわせてご覧ください。
タイミング法や人工授精では、妊娠しなかったときに「体の中で受精が起きていないのか」「精子や卵子の力が落ちているのか」を確かめることができません。
体外受精では、取り出した卵子と精子を体の外で受精させ、受精卵が育つ様子を観察します。日本生殖医学会も、受精や受精後の発育を経時的に観察することで、不妊の要因が新たに明らかになる場合があるとしています。
体外受精で受精しにくいことがわかれば、次の周期では顕微授精を検討するなど、結果をもとに治療方針を見直せます。体外受精と顕微授精の選び方は「体外受精と顕微授精はどっちがいい?」で解説しています。
体外受精では、採卵できた卵子の数や受精の状況、受精卵の育ち方といった具体的な情報が得られます。すぐに妊娠に至らなかった場合も、排卵誘発の方法や胚の選び方、移植する子宮の環境づくりなど、次の周期に向けて見直せるポイントが見えてくることがあります。治療の経過や今後の見通しは、ひとりで抱え込まず医師に相談しましょう。
2022年4月から、体外受精などの生殖補助医療は保険適用の対象になりました。厚生労働省の資料では、保険適用の対象として卵管性不妊や男性不妊とあわせて「機能性不妊」も示されており、原因不明不妊でも保険診療で体外受精を受けられます。
ただし、生殖補助医療の保険適用には次の条件があります。
| 治療開始時の女性の年齢 | 保険適用となる胚移植の回数(子ども1人あたり) |
|---|---|
| 40歳未満 | 6回まで |
| 40歳以上43歳未満 | 3回まで |
| 43歳以上 | 保険適用外 |
年齢と回数に上限があるため、人工授精を長く続けてから体外受精に進むと、保険で受けられる期間が短くなる可能性があります。保険適用の詳細は「体外受精の保険適用について」、横浜市で治療を受ける場合は「横浜市の不妊治療における保険適用について」もあわせてご覧ください。
原因不明不妊で体外受精を考え始めたら、次のポイントを夫婦で確認しておきましょう。
体外受精では男性にも検査や採精などの役割があります。詳しくは「体外受精の流れと男性の役割」、仕事との両立は「体外受精と仕事の両立」をご覧ください。
受けられます。厚生労働省の資料では、生殖補助医療の保険適用の対象に「機能性不妊」が含まれています。年齢や回数の条件を満たせば、保険診療で体外受精を受けることができます。
日本生殖医学会は、人工授精は3〜6回を上限とするのが一般的で、6回以上で妊娠しない場合はステップアップの検討が必要としています。年齢によっては、より早めに体外受精を検討することもあります。
受精や受精卵の発育を観察することで、通常の検査ではわからなかった要因が明らかになる場合があります。得られた情報は、次の治療方針を考える材料にもなります。
あります。精液検査で基準を満たしていても、精子の機能まではわからないことがあります。原因不明不妊と言われた場合も、夫婦二人の問題として一緒に治療方針を考えることが大切です。
原因不明不妊は、検査で明らかな原因が見つからない状態です。原因がわからないからこそ、体外受精によって受精や受精卵の発育を確認することが、次の治療につながる場合があります。
ステップアップを迷っている方は、体外受精の説明会や初診で、自分たちの状況に合った進め方を相談してみましょう。初診の流れは「体外受精の初診で何をする?」で紹介しています。
体外受精のクリニック選びで大切なのは、ご夫婦の状況に合った治療を受けられることです。
横浜にあるクリニック14院※の口コミや実績を分析し、お二人の状況に寄り添った3院を調査しました。
40~41歳の妊娠率が、2025年1月時点で開示されている最新(2022年度)の全国平均の妊娠率が約30%(※1)に対して、約50%(※2)と平均を上回る実績があります。
卵子への負担を軽減する培養技術も活用し、妊娠が難しい患者様へのサポートに注力しています。
保育士常駐のキッズルームを設けており、「親子待合室」としても利用できます。
通常の待合室とは扉で区切られているため、待ち時間も周囲の視線を気にせず、お子さまと一緒にいられます。通院回数が多い体外受精でも安心して通えるクリニックです。
不妊の原因に多くみられる男性不妊症の治療実績(※3)において神奈川県内1位(※4)を誇る病院です。一般男性の約7人に1人(※5)にみられる「精索静脈瘤」、約100人に1人(※5)に発症すると言われる「無精子症」まで、他院では対応が難しい男性不妊治療を受けられます。
※妊娠率(臨床妊娠):移植後、エコーにより胚が子宮内に確認された割合を指します
※1参照元:【PDF】日本産科婦人科学会ARTデータブック※2022年時点。2024年のデータはまだ公開されておりません(https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf)
※2参照元:メディカルパーク ベイフロント横浜公式※2024/1/1~2024/9/30時点(https://medicalpark-bf-yokohama.com/chiryo_jisseki/)
※3参照元:「男性生殖器疾患」の治療実績数を、便宜上“男性不妊症”のランキングとしています。この件数には、他の病気の治療も含まれることがあります。
※4参照元:caloo(神奈川県の男性不妊症の治療実績)※DPC対象病院・準備病院・出来高算定病院の統計 (2022年4月〜2023年3月退院患者)(https://caloo.jp/dpc/disease/746/14)
※5参照元:横浜市立大学附属 市民総合医療センター公式(2025年1月時点)(https://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/section/generative/danseifunin.html)
※6 お電話での問い合わせは月曜・水曜・金曜のみ8:00~18:30、火曜・土曜8:00~16:30、木曜8:00~13:00、日曜8:00~13:00 (指定患者様のみ)、祝8:00~15:00